~内側の声を世界に開く~

さくぶん.orgプロジェクトについて

   

活動の趣旨

   

さくぶん.org(さくぶんおーあーるじー)は、さまざまな国や地域の大学生が中核となり日本語文章表現により交流するプロジェクトです。個人の自ら(みずから)成長に向かう傾向と、人間関係の自ずから(おのずから)相互関連に向かう傾向を信頼するパーソンセンタード・アプローチ の考え方にねざし、自由な雰囲気の中で「内側の声」を聴き合い伝え合います。書記言語による交流を通じて人々が、時間空間を超えて内側からつながりを確かめ、世界に開かれることを願っています。この考え方は、すべての人や物はつながりの中にあるとする暗在性哲学 を背景にしています。

活動の流れ


ステージ1 テーマに基づき作文を書く
ステージ2 他の人の書いた作文を読んでコメントを書く
ステージ3 自分の作文に対する他の人コメントを読んでコメント(筆者コメント)を書く
ステージ4 さくぶんorgに参加したコメント(参加コメント)を書く

の一連の流れで、1セッションを構成します。この前後に文章表現法の演習や、意見交換のディスカッション、レポート作成等まとめの活動を実施する場合もあります。
*  このプロジェクトにおける作文とは、経験をふまえた短い論理的文章(ショートエッセイ)です。
長さに決まりはありませんが、切り出しー展開ー終結の連続を成す文章としています。

    

活動の方式

    

1)紙形式:紙に手書きした文章を、世話人がとりまとめて送り合い交流します。
2)インターネット方式:ウェブサイト「さくぶん.org」(http://www.sakubun.org)に書き込んで交流します。

   

特徴

   

さくぶん.orgプロジェクトでの交流の特徴は、作文から、書き手の書きたいことを積極的に読み取り、読み手の中に自然に浮かんでくる感想や意見を伝えることです。あたりまえのことだと思われるかもしれませんが、大学の授業での交流は、文化的な相違を見出したり、資料に基づき論理的に議論したり、文章作成上の不足点を指摘しあったりするものが、ほとんどです。個人の内側に自然に浮かんでくるものよりも、外側にある基準が重視されることが多いのです。また、このプロジェクトでは、学生の書く作文を、内容、表現の巧拙(うまい、へた)にかかわらず、「世界に一つのかけがえのない作品」として尊重します。これも、大学の授業では珍しいことです。学生の書く文章は、教師が添削指導する対象であったり、理解度を測る資料であったりすることが多いのです。

   

歴史

   

1991年 日本人大学生を対象とする活動を開始(紙方式)
1996年 日本人学生と留学生を対象とする活動を開始(紙媒体)
1999年 ウェブページ「さくぶん.org」に作文を掲示 
2000年 ウェブページ「さくぶんorg」で交流開始、
2001年 海外の日本語学習者の参加開始(オーストラリア)

パーソン・センタード由来の5原則


1. 文章表現の内容や表現上の巧拙を直接的に審判的評価の対象としない(非審判的態度)

2. 現在の自分の考えや感情の率直な表現を歓迎する(率直な自己表現)

3. 他の人の書いた作文やコメントを読む時には、筆者の表現したいことを読みとる姿勢で読む(受容的共感的態度)

4. 作文、コメントの交換は匿名で行う。筆者を詮索する行為は活動セッション外も含めて行わない(秘密の保持)

5. 自分の作文、コメントを他の人に読まれたくない場合は申し出る。この場合、交換活動には加えない(活動参加の任意性)

この5つの原則は、パーソンセンタード・アプローチのエンカウンターグループの活動原則を参考につくられました。

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