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オンライン辞書,Dictionary


No.5
作文
2014-12-11
出身: 韓国
居住: 神奈川県 
20代 女性
ログイン名: ゲスト
タイトル:先入観と異文化
   先週ゼミの合宿で台湾に行ってきた。日本以外での初めての海外旅行だったので、とても楽しみにしていた。飛行機に乗る当日まで毎日携帯のアプリで現地の天気を調べながら、台湾の旅行案内書なども読んでみた。しかし、4時間の長い飛行時間の果てに私を待っているのは、ちょうど雨期になっていた台湾の息苦しいぐらいの湿気と蒸し暑さであった。

 ゼミの研究主題が食文化であったせいで、3泊4日間毎日夜市や市場でへ行った。屋台には生きているかえるや、頭までついている丸ごとの鳥が並んでいた。お客さんを招く店員さんの声はとても大きくて、まるで怒っているみたいに聞こえた。あまりにも生々しい風景で一歩一歩進むたびに驚くばかりであった。そしてコンビにや普通のお店で売っている現地の料理からはとても不思議な匂いがした。一口も食べる前に匂いが鼻をついて、なかなか料理を味わうことすらできなかった。結局私は毎日パンやKFC、マックドナルドでご飯を食べた。

そして、何個所かの市場を回っていたある日、同じグループで市場の調査をしていた友達が言っていた。「台湾人ってめっちゃ怖いね、殺されるかも」、「台湾って臭すぎて食べれるものが全然ないね」「汚いな、日本を見習ってほしい」その話を聞き、ひどいことをへらへらしながら軽く言っている彼がとてもいやで、気分が悪くなっていた。しかし、彼のその態度をみて、自分も彼とあまり変わらないことに気付いた。彼みたいに口に出してはいないけど、心の中では台湾は臭くて、食べ物も美味しくないし、気の荒い人しかいないと思いこんでしまっていたのだ。

良くなかった天気により、余計に匂いがひどかった市場のせいで、自分から先入観を持っていて、悪い面ばかりをみていた。台湾はもう汚い国、韓国や日本より遅れた国と思いこんでしまったのであった。よく考えてみると、フルーツやタピオカ、パン、シャオロンポウなどとても美味しいものもたくさんあったし、道を案内してくれた全ての人たちもとても優しかった。それにもかかわらず、文句ばかり言い、期待していた異文化を楽しめなかったのは愚かな自分のせいであった。

私は自国の文化は当たり前のように優れたもので、良いものだと思っていたけど、外国人から見ると韓国の食べ物は辛いだけで美味しくないと感じるかも知れないし、にんにくの匂いが嫌な人もいるかも知れないし、バスの運転が荒いと思う人がいるかも知れない。

異文化を体験することにあたって注意しなければいけないのは、先入観を持ってはいけないこと、自国の文化と違うといって決してそれが間違ったものだったり、良くないものではないということであった。異文化をそのものとして、そのまま受けとって、十分楽しむことこそが異文化体験であり、外国旅行の真の意義ではないかと思った。
 
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