選択した文章の本文です。

オンライン辞書,Dictionary


No.24
作文
2019-01-13
出身: 中国
居住: 東京都
20代 男性
ログイン名: Darby
タイトル:自己の再認識
   正直に言えば、初めて「大学時代」というテーマを目にしたときに、何を書けばいいのかをよくわかりませんでした。今は大学で勉強しているとはいうものの、あまりにも慣れてきたので、大学時代とは一体何だろうかについて真面目に考えたことがなかったです。今回の作文を書くことをきっかけに、自分の大学生活を見直してみました。そのキーワードが今回の作文のタイトルのように「自分探しの旅」です。
 大学に入る前に、ただ言語を勉強したいだけで、日本語を専攻にしましたが、将来についての具体的な目標や計画がまだ立てられていなかったです。だから「自分を探す」ために、今まで法学や哲学のような様々な分野を試してきました。しかし、試行錯誤に伴って、自分の専攻への疑いも生じました。なぜかといえば、私の専攻している日本語は在日留学生やハーフにとって既に当たり前にできるもので、ネーティブ同様にしゃべれる人も大勢にいるはずです。それに日本語しかできない私より、皆ほかの専門がありますので、言語はあくまでも道具に過ぎません。そうであれば、日本語学科の学生としての意味・独特性が一体どこにあるのかと屡々考えており、悩んでいます。
 幸いなことに、この半年間の異国での勉強と生活によって、自分なりの答えが見つかりました。もし何か一つでも言語専攻の学生しかよくできないことがあれば、それは翻訳だと思います。確かに彼らの日本語力は私よりずっと高いですが、言語力だけでは絶対によい翻訳ができないでしょう。対象国と自国の文化や社会、文学について詳しくならなければなりません。日本・日本語については私が負けたかもしれませんが、中国についてはここにいる誰にも負けない自信を持っています。日本語をうまく中国語に翻訳するようになることこそ、私の大学ひいては大学院の本当の意味です。
 試したことが多すぎて、知らず知らずのうちに言語勉強の初心を忘れてしまったかもしれませんが、やはり訳者の夢は捨てられないです。この授業で、東大で、日本で、自分を再認識することができて、本当にありがたいです。
 
【コメントを書く】