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オンライン辞書,Dictionary


No.146
作文
2020-05-20
出身: 中国
居住: 中国
20代 女性
ログイン名: こうえん
タイトル:日本語と中国語のニュアンス
   日本語を学び、ようやく文章が書ける、会話ができるようになったその時、言葉遣いに悩み始める。外国語の学習で一番難しかったことを聞かれると、発音、語彙及び文法などの面における、数えきれないほどの難点を思い浮かべる。それについて、先生から教わったのは、工夫してまとめれば、だんだん手応えを感じるようになるということなので、それより、異なった環境から生まれた中国語と日本語のニュアンスは整理し難く感じる。

 日本語学習の開始間も無く、疑問に思った点が一つあった。日本人は、「味はおいしい」と言うのに比べ、中国人は、「味道很好吃・味道很美味」と言わない。「おいしい」と一致する中国語の形容詞「好吃」「美味」は、食べ物しか修飾しない。例えば「西瓜很好吃」とか、「这道菜很美味」 とか、味そのものがおいしいという表現はしない。この発見から、色々と注意してみたら、確かに通常の場合、日本語の形容詞が使える範疇は中国語の形容詞の使える範疇より大きいようだ。

 それから、授受関係も少し違う。日本語を学べれば学ぶほど、授受関係の大切さがわかる。中国語にも「给」「为」といった言葉はあるが、話す対象を表す機能だけをこなす場合が多い。一方、日本語の「あげる」「くれる」「もらう」という言葉は、更に尊敬の意を加え、相手と話し手の上下・親疎関係の提示にもなるらしい。

 以上のように、言語間のニュアンスは、把握するのが難しいが非常に面白い。それを育んだ歴史や価値観を探ってみれば、更に豊富な内容が見つけられるだろう。
 
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