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オンライン辞書,Dictionary


No.220
作文
2020-05-29
出身: 神奈川県
居住: 神奈川県
10代 女性
ログイン名: ゆゆか
タイトル:真似して使いはじめた方言
  私は、父親の会社の都合で小学一年生の時福岡県に引っ越した。元々両親が方言がほとんど無い土地で生まれて育ち、標準語で話していたため、倣って私も標準語を使っていた。しかし福岡に引っ越してから、人見知りだった私は早くクラスに馴染みたくて、方言を"真似して"使いはじめた。そのため、家にいる時は標準語、外にいる時は方言、というように二つを切り替えて使うようになった。
友達も増え、方言も"真似する"という感覚ではなく自然に出るものになったが、小学校を卒業すると共にまた神奈川に引っ越す事になった。
先程も言ったように、福岡に住んでいた頃にも標準語は使っていたため、神奈川に引っ越してからはほとんど方言は使わなくなった。親しい友達との会話中、ぽろっと方言が出てしまう事もあるが、ほんのたまにだ。六年かけて染み付かせた方言はあっさりと抜けていった。
しかし、今でも福岡の友達には方言を使って話している。相手からすると「神奈川に住んどるのにまだ方言使いよるん?」と思われているかもしれない。私も今はもう方言は使っておらず、自然に方言が出ることはほとんどない。そのため"意識して"方言を使って話している。だから、いわゆる"エセ"になってしまっているのではないかと不安になる。元々真似して使い始めたものだから、ずっとエセの方言を話していたという事になるのか、とさらに不安になる。だが、「方言で話している友達とは方言を使って話す」という感覚が、福岡から引っ越して六年以上経つ今でもどうしても抜けてくれない。なんとなく、方言で話す相手と標準語では話しにくい感じがしてしまう。
福岡の友達と話す時、私は標準語と方言、どちらを使えばいいのか。いまだにずっと悩んでいる。
 
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