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オンライン辞書,Dictionary


No.223
作文
2020-05-29
出身: 日本
居住: 日本
10代 男性
ログイン名: sawamura
タイトル:近所のお婆ちゃん
  日本には人物・事物に対する話し手の敬意を表す言語的表現である敬語というものが存在する。海外にも丁寧な言葉の使い方がもちろん存在し、「Can you~」を「Would you~」と言い換えることで「〜いただけますでしょうか?」という具合に同じ頼むという意味でもニュアンスを変えることができる手段が存在する。しかし、日本の敬語は更に尊敬語と謙譲語に分けることができ、海外と比べると言葉遣いに気を配っている印象がある。そして敬語は年齢を重ねるごとに気を配らなければいけないものだと考える。

 ほとんどの人が経験したことがあるだろう。帰り道に近所に住んでいるお婆ちゃんに「おかえり」と声を掛けられる。単にあいさつ程度で声をかけてくれているが、普段とは違ったニュアンスであいさつをされた側は少し困ると思う。小さい頃であれば迷いなく「ただいま」と答えていただろう。しかし、ある程度の年齢になれば、お婆ちゃんは自分から見て目上の人だから「ただいま」ではなく「ただいま帰りました」と言い換えた方が良いのではないかと考えるはずだ。その歳になるまでは「言葉の自由」が存在していた。それは、敬語に囚われず自分の思ったことをそのまま発言することができるものだが、大人に近づくに連れてそれは失われてしまう。「言葉の自由」が存在していたことによって目上の人に対して敬語を使わなかったことで注意を受けることはあってもひどく怒られることは少なかったのではないだろうか。

言葉遣いには相手の機嫌を損ねさせてしまうことや、それが原因で相手が自分に持つ印象が悪くなってしまう可能性もある。私たちは置かれている状況に応じて言葉を使い分けなければいけない。親しき仲に垣をせよということわざがあるように、自分より目上の人と仲良くなることは大切だが、その関係の中である一線を超えないように心掛けることが適切な関係を築いていく秘訣だと考える。
 
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