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オンライン辞書,Dictionary


No.232
作文
2020-05-29
出身: 日本
居住: 神奈川県
10代 男性
ログイン名: 匿名
タイトル:後輩から学んだもの
   敬語。それは、話し手が相手の人物に対して敬意を表す言語表現である。一般的に、部活動や生徒会活動など、上下関係が大きく見え始める中学生頃から意識し始めるケースが多い。私自身も中学校に入ってからは、先生や先輩にはもちろん、親戚や近所の人などにも敬語を使うようになっていた。しかし、後輩に対する言葉遣い。これが私にとって1番の課題であった。
 中学校で卓球部に所属していた私は、1年次に同級生や先輩とそれなりに仲良く活動することが出来た。しかし、2年次に上がり後輩という存在ができた。始めはやはり初対面なので、と思い敬語で話していたが、次第にそれが定着してしまった。私自身、少し距離感を感じていたが馴れ馴れしいと思われるのが嫌で敬語を使っていたのだ。
 そこに現れたのが6月に転校し、入部してきた1年生である。彼は小学生の頃に少し卓球に触れていたようで技術は2年生に及ぶほどであったが、何より態度が大きかった。2年生とほとんどタメ口で話す彼の姿を見て、つられるかのように彼とタメ口で話すようになっていた。これに対しては「生意気だ」と言うより、「とても親しみやすい」と感じた。学年関係なくフレンドリーに話す彼を見て、自然と私は他の後輩ともタメ口で話すようになり、距離を縮めることが出来た。
 人間関係において敬語は、自身の品位や信頼を勝ち取ることが出来たり、目上の人と気持ちのいい会話を送ることが出来たりと、とても重要な役割を担っている。しかし、敬語だけでは縮まらない距離というものがある。決して誰に対してもタメ口を使うというわけではない。時と場合を考え、大学で初めて知り合う人や部活動の後輩などに対しては敬語でかしこまって話すより、少しずつでもタメ口を取り入れて話す方が親しい関係を築きやすいということを中学生の時に学べた。
 
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