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オンライン辞書,Dictionary


No.267
作文
2020-06-01
出身: 中国
居住: 日本
20代 女性
ログイン名: シュン
タイトル:違う言語で伝わる口調
   皆さんは外国語学習者として、文化の違いによって、文の意味は同じでも、違う言語で表したら、伝わる口調が違ってくると思いませんか。あるいは、「話せるけど何が違う」「ぴったりな言葉なのに、センテンスになるとおかしい」。そのため、どのような言い方を使えばいいのか分からなくなったという経験はありませんか。
 翻訳会社で働いていた私にとって、このような経験はほぼ日常茶飯事になっています。当時、私の部署は英訳チーム、担当しているプロジェクトはアリババクラウドのウェブサイトローカリゼーションでした。技術的な内容、そして企業向けのため、手を焼いていました。しかし、最も難しかったのは翻訳内容ではなく、ターゲット言語に翻訳する時注意するべき口調でした。クライアントさんから「上から目線は絶対ダメ」「ユーザーを責めないように」というルールを一貫して欲しいとリクエストされました。
 一番簡単な例を挙げます。
 ソース言語「在部署前,应该确保操作系统软件为最新版本。」
 ターゲット言語「Before deployment, make sure that all operating system software are in the latest official versions.」
 日本語の意味は「デプロイする前に、すべてのOSソフトウエアが最新バージョンであることを確認してください」です。
 実際に、「应该」という中国語は、英語で「should」、日本語では「○○をするべき」の意味です。ただし、そのまま翻訳すると、英語で「You should make sure that…」、日本語では「○○を確認するべきです」になります。中国語でごく普通の表現なのに、ほかの言語にすると、強めな口調になり、ユーザーを不快にさせる場合もあります。
 今までの日本語と英語の勉強の経験から見ると、日常でよく使われる言葉や文には、中国語の口調はやや強め、日本語はやわらかい、英語は、どっちかというと、真ん中だと思います。言語学の専門家ではなく、これも単なる個人的感想にすぎないのですが、このような伝わる口調が不適切ではないかと心配して、言葉遣いに迷う経験は皆さんにもあると思います。翻訳者ではなくても、外国語学習者として、口調も我々がマスターするべき要素だと思います。
 
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