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オンライン辞書,Dictionary


No.14
作文
2022-04-14
出身: 日本語以外
居住: オーストラリア
 
ログイン名:
タイトル:丁寧語による距離感
  私は、日本語を2年半しか勉強していないので、授業以外で日本語で話す機会は殆どない。私にとっては、日本語にある、関係性に基づいて変化するポライトネスは、英語にはない全体的な次元だ。英語では、対人関係において屡々未定義にされがちな側面を可視化し、定義する、と感じている。そしてその過程で、恐らく未定義のままよりも距離ができてしまう可能性があって、困っている。

例えば、オンラインゲームで初対面の人と話す時、英語では完全にカジュアルな言葉遣いだったが、日本語に変えると丁寧な言葉遣いになった。その人は、マルチプレイで知り合ったばかりだった。自分の英会話の習慣から、カジュアルな話し方でコミュニケーションを取ることにした。私達は、不完全な文章で話し、沢山の略語を使った。しかし、暫く話しているうちに、彼も私と同じように日本語を勉強していることがわかり、代わりに日本語で話すようになった。でも、丁寧な言葉遣いで話すから、却って疎遠になったかのように感じた。文章は完全な形になり、それぞれが丁寧語の「です・ます」を語尾に付けなければならなくなった。英語で話している時には忘れかけていた、先程まで他人だったということが、日本語の文章の端々に刻み込まれる。そのことに、私は違和感を感じたのを覚えている。

多言語話者である私が思うに、この問題は、同じ人と言語を切り替えて話す時に顕著になるものだ。英語では初対面の人とタメ語で話すのは普通大丈夫だと思っているのだが、日本語ではどうでしょう。皆さんは、この状況にどうしたらいいでしょうか。
 
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