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オンライン辞書,Dictionary


No.62
作文
2022-04-27
出身: 日本語以外
居住: Australia
 
ログイン名: Sakubun
タイトル:言語と人間関係
  私の人生には、多数の「言葉遣いに困った経験」があるが、特に困っているところはどうやって言葉の使用を通して相手との距離感を伝えるとの問題で、今でもまだまだ勉強している。私の家族は結構伝統的な北京育ちの家族で、親から習った中国語は古くて丁寧な言葉しかなかった。初めて会った同い年の人には悪い印象を与えたくないので、「様」と呼ぶが、逆にもっとおかしいと見られた。普段から丁寧な言葉遣いに慣れている私にとって、タメ口で話しかける違和感を振り切れない。友達の親と周りの大人にとって、私は礼儀正しいいい子だったが、同い年の中国人友達と友好関係を築くのはとても難しいと感じた。
どの文化圏でも、語学力や社会規範の知識があるかないかで、人間関係のあり方が変わってくると思う。言葉遣いは人間関係を強く影響し、他人の用語から二人の親しみさを把握できる。前の私はこのことを気付かなくて、できるだけ丁寧な話かたを使ったら相手にいい印象に与えるようにしたが、言葉遣いと丁寧さは相手と状況によって変わって、丁寧さよりもカジュアルさを重視したほうがいい場合もあると知った。
このことは、中国語よりも厳しい敬語を持つ日本語に反映されている。言葉遣いを間違えるとマナーのない人と思われ、逆に丁寧すぎると堅苦しくて近寄りがたいと思われるかもしれない。この2つのバランスはよく微妙で、取るのが難しい。今の私の日本語学びには、語学力よりもむしろ、社会的な合図を理解し、人間関係における距離を理解できるようになることが重要になる段階にきている。


 
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