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オンライン辞書,Dictionary


No.31
作文
2022-04-22
出身: 日本語以外
居住: オーストラリア
 
ログイン名: ヨリ
タイトル:言葉遣いと人間関係
    私は日本語を流暢に話せる外国人ではあるが、会話する時に雰囲気の微妙なニュアンスや、相手との関係性の変化などを敏感に認識し、状況に応じる適切な言葉の選択をすることが非常に難しい。場面によって、敬語と常体を決めた後、敬語の丁寧さや、常体の口調を考えなければならない。また、人間関係は変わるものであるため、相手の言葉遣いの変化を意識しなければ、外国人として日本人の相手と程よい関係をさらに深く発展させることは困難ではないだろうか。
 高校の時、神戸の姉妹校から日本人の学生が留学でオーストラリアに来た。その中の一人と交換プログラムのパートナーになり、三週間一緒に学校に通っていた。彼女がオーストラリアに居た間、お互いに友達になったと考えており、常に砕けた言葉で話していたが、留学が終わった数ヶ月後、ラインでタメ語のメッセージを送ると、丁寧語で返事が来た。当時、言葉で伝えた突然の距離感に混乱し、自分はどのような口調で返事すれば好ましいか悩んでいた。最後は相手に「親しいふりをしなきゃ」というプレッシャーをかけたくないため、自分も丁寧語で返事するようになった。
 それ以後、彼女とは滅多に連絡を取らないが、二人は常に丁寧語でやり取りをしていた。言葉であまり距離を取っている気分を感じていないが、丁寧語と砕けた言葉の隔たりがあるため、彼女は留学の時のような親しい関係を維持することを望んでいないと思う。外国人の私から見れば、物理的な距離が離れていても、隙間を残すことには及ばない。
 
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