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オンライン辞書,Dictionary


No.33
作文
2022-04-23
出身: 日本語以外
居住: シンガポール
 
ログイン名: ジャスミン
タイトル:言葉への自信
  私は日本とオーストラリアのハーフで、現在オーストラリアの大学に通い、十年ぶりに本格的に日本語を習おうとし始めた。小学校一年生の時に1学期だけ日本の学校に通ったが、移り住んだフィジー、オーストラリア、マレーシアの田舎町では家族以外に日本人の知り合いがおらず、ほとんどすべての場面で英語を話していた。そのため、私の日本語の能力は、7歳の時にすでに知っていたこと、そして母に言う必要があったこと以上に進歩しなかった。また、他の同年代の日本人から切り離されたことで、人付き合いのニュアンスも分からないままだった。

これに初めて気づいたのは、中学生の時旅行として日本に帰った時だ。小学生の時は名前を呼び捨てにしていた友達が、苗字や敬称をつけて呼ぶようになった。同じ人と違う場で接するとき、いつタメ口で話していいのか、いつ丁寧語を使わなければならないか、分からなくなった。日本の学校とイギリス式のインター校の社会習慣が違うので、自分は取り残されているような気がした。そのため、「もう敬語を学ぶのは遅すぎる」と感じ、それが今も続いている。年齢を重ねるごとに敬語が必要な場面が増えていても、練習不足のため、かえって敬語が苦手になってしまった。

敬語や言葉遣いを学ぶことは、知識であると同時に自信の問題と感じる。私の日本人のいとこたちは自分が英語は苦手だと認識しているため英語を一切話さないように、私は敬語が必要な場面を避けている。


 
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