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オンライン辞書,Dictionary


No.17
作文
2023-04-17
出身: オーストラリア
居住: メルボルン
20代 女性
ログイン名: Nidecifu
タイトル:言葉遣いと人間関係:数年間の誤解
  私は、今オーストラリアの大学で勉学しているが、かつてニュージーランドの高校に四年間通ったことがある。言葉遣いに困った経験も、高校の日本語のクラスに行った時だ。

国際高校だったので、日本人も含めて世界各地の留学生が多かった。こうした日本人に囲まれた言語環境で行われた私は、日本語学習が予想に反してうまくいかなかった。

いつからだろうか、日本人同級生と親しくなりにくい感じがしてきた。別の言い方にすると、普通に話ができる友達になれないこともないが、もっと互いの距離を縮めようとしたらなんとなく壁を感じるのだ。語彙力不足で深い話が出来ないから仲良くなれないかなと信じて、裏で単語にしろ文法にしろ勉強に勉強を重ねたあげく、相変わらずある程度の距離を置かれた感覚を感じ、時々それ以上気まずい雰囲気になってしまう感覚だった。その上で、自分と同じ出身の外国人がクラスでモテている事実を知って、やっぱり私は性格がつまらなくてモテないかという、もっと自己不信に陥ってしまい、日本語で話すやる気も奪われる感じがした。高校卒業の日、ようやく自分を勇気付けてそのモテる子に聞いてみると、もらった返事はいつになっても忘れないものになった。

「(あなた)いつも丁寧で、「です・ます」で話しているでしょう。相手に敬意を表すには素晴らしいけど、毎日会うクラスの皆に対して使うと、逆に皆と親しくなりたくないという、距離を置きたいように見えるかもよ」。

それを聞いて初めて、日本語における「言葉遣い」という概念の存在を意識した。相手との関係性を考えずにそのまま敬語表現を使うと、距離感ができてしまうといった逆効果が生まれかもしれない。やはり、大学で人間関係を築くため、丁寧語など使わない方が良いのだろうか。
 
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