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オンライン辞書,Dictionary


No.33
作文
2023-04-18
出身: Japan
居住: Japan
回答しない 男性
ログイン名: 孤独な太陽
タイトル:電話恐怖症(telephonophobia)
  もうずいぶんと以前、ぼくはとある事務所で働いていて、代表不在の折はクライアントからの電話にぼくが応対することも少なくなかった。
当時のぼくはひとの話を聞きとることに極度の苦手意識を持っていて、殊に電話となるとそれはもう恐怖症と言ってもいいほどのものだった。
それでもなんとか、自分なりに精一杯、丁寧に話していたつもりだったけれども、ある時、ぼくの応対について、「感じが悪い」など、いくつかのクレームが入っているという事実を代表から知らされ大変なショックを受けた。
代表からは言葉使いに関する入門書のようなものも渡されたけれど、当時のぼくには自分のなにが先方に不快な思いをさせているのか理解できず、ただただ辛い思いをしたものだった。
結局のところ、その後色々とあってぼくはその職を辞したのだけれども、今にして思えば、どれだけ心の中で誠実なつもりでも、それを表す適切な言葉使いが無ければ、その気持ちは相手にはなかなか伝わらないのだということを、当時のぼくはもっと理解すべきだったのだろう。
 
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