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家庭内で母がすごくイライラして怒っている時に電話がかかってきた。「はいもしもし〇〇ですぅ。」その瞬間に母は穏やかで明るくて優しい口調へと豹変した。笑顔もあった。そのまま数分間の電話を終え、受話器を置いた瞬間にまた怒り出す。幼い時の僕にとって母の電話は不思議でしかなかった。しかも一切隙がないから母に尋ねることもできない。ずっとモヤモヤしたままだった。けれど先日の出来事。弟と外食をしていたら些細なことで口喧嘩になってしまった。周囲の視線が気にならなくなってしまうくらいヒートアップした。するとその時恐る恐る近づいてきた店員が「あの…ランチメニュー終了しますが…ご注文…よろしいですか…?」と尋ねてきた。僕と弟は咄嗟に「はい、大丈夫ですよー」と優しく穏やかに答えた。そこで理解した。他人に対しては自分と自分の身内を社会的に守るために豹変するのだと。
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