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オンライン辞書,Dictionary


No.95
作文
2023-04-19
出身: 日本
居住: 東京都
10代 男性
ログイン名: rk58841006
タイトル:管理人さんの言う"おかえりなさい"
  私のアパートには60歳くらいの女性の管理人さんがいました。背丈は僕よりも幾分小さく、いつも楽しそうに誰かと話しています。髪の毛は真っ白でしたが、ヘナで赤く染めたらしく、「よく染まってるでしょ」とニコニコしながら自慢げに話しかけてきます。
「〇〇くん。おはよう。」と管理人さんが言うと「おはようございます。」と返事をします。私は管理人さんをとても慕っていたので、敬語じゃなくて良いよと言われても、一応敬語を使います。しかし、管理人さんはたまにとても困る挨拶を私にしてきました。それは「〇〇くん。おかえりなさい」です。普通なら「ただいま!」と元気よく言いたいところですが、思春期の私は、なんだかそれは小っ恥ずかしいなような気がしてしまいます。なので「ただいま帰りました。」と言うのが正しい、とも思うのですが、それもやや慇懃無礼ではないかと、考えてしまいます。それで結局「ただいまです。」に至ってしまいますが、管理人さんは「ただいまでいいでしょう。」と言ってクスクス笑います。
これは笑い事ではなく、困ったことだろうと思春期の私は思いますが、それはそれで楽しい困りごとだったなと思い返しては、新しい管理人さんに、元気よく、「ただいま!」と言うのでした。
 
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